交通事故後、通院や入院が必要になってしまった場合、その間は仕事をすることができません。
最終的には、休業損害の請求にて、その一部を回収できるとはいえ、直近の現金不足に困ってしまう方も現実にはいらっしゃいます。
特に、症状固定によって治療費の打ち切り後は深刻な問題です。
そこで、少しでも治療費を節約するためにも、利用できる保険は利用すべきです。
今回は、交通事故で使うことができる保険について詳しく見ていきます。
労災保険の利用を検討しよう
まず真っ先に利用の候補に挙がるのが、「労災保険」です。
ただし、労災保険は業務上の事由または、通勤による場合の事故でしか利用できないのがネックです。
そのため、利用対象が限定されてしまいますが、利用できる方は積極的に使っていきたい保険となっています。
労災保険を利用するメリットは、診療時に窓口負担がなくなるため、自賠責保険枠の120万円を有効に利用できることです。
また、労災保険は休業期間中に平均賃金の60パーセント相当の休業補償給付に加え、20パーセントの休業特別受給金の支給が受けられます。
なお、この休業特別受給金は、加害者に対する損害賠償額の控除外になるという特典付きです。
そして、労災保険にはその他にも、業務災害の場合は、療養補償給付、傷病補償給付、傷害補償給付など、通勤災害の場合は、療養給付、休業給付、障害給付など、多数の保険給付があります。
ただし、労災保険を利用する場合、健康保険が利用できなくなる点には注意しましょう。
健康保険の利用を検討しよう
交通事故の怪我であっても、実は健康保険を利用することができます。
ただし、「第三者行為による傷病届」を届け出る必要があるなど注意が必要です。
この届出をしていない場合、交通事故の場合は自由診療しか受け付けられないと窓口で言われ、そのまま支払いをしてしまう方が実際にもいらっしゃいます。
しかし、交通事故でも健康保険は使えます。
業務中の事故でない方で労災保険が使えない方は、積極的に健康保険を利用していきましょう。
交通事故時の診療に健康保険を利用する条件は、上記で説明した第三者行為による傷病届の届け出と、病院側に健康保険証を提示し、健康保険を使いたいと申し入れることです。
健康保険の利用は、特に自身にも多少の過失がある場合には利用していきたいところです。
なぜなら、自由診療で治療を受けてしまえば、高額な治療費を自己負担しなければなりません。
これを考えれば、健康保険を利用したほうが最終的な負担は軽減されます。
自身の任意保険の利用を検討しよう
上記の他にも、被害者側が加入している任意保険で利用できるものがある場合もあります。
任意保険会社ごとに異なるため一概にはいえませんが、「搭乗者傷害保険」や「人身損害補償保険」などに加入している場合、その保険会社に対して保険金を請求できる場合があります。
自身に任意加入の保険がある場合は、担当者に確認してみるのを忘れないようにしましょう。
治療費が打ち切られてしまったら
治療費が打ち切られてしまうと動揺してしまう方もいらっしゃいますが、まずはその治療費打ち切りが相当なのかどうかしっかりと確認する必要があります。
治療費打ち切りのきっかけとなる症状固定は、保険会社が判断することではなく、医師が判断することです。
医師がまだ治療が必要と言っているうちは、しっかり保険会社に説明し、治療費の打ち切りは解消してもらってください。
そして、いったん打ち切りの話題が出た段階で、労災保険や健康保険を利用するのであれば、いつでも切り替えられるように準備をしていきましょう。
また、自身の任意保険会社に確認し、受け取れる保険金があれば、しっかり受け取っておくことも大切です。
交通事故の保険にお悩みの方へ
交通事故で使うことができる保険については以上ですが、細かい部分までをご説明することはできていません。
そこで、もっと具体的に知りたいという方は、当事務所にて個々の状況について詳しくお話いただき、保険利用についても一緒に検討していきましょう。
やはり、個々の状況によって適切な対処は異なってくるため、一番良いのは直接お話してみることです。
そして、交通事故問題というのは、弁護士への相談が早ければ早いほど良いとされています。
この理由は、本人は治療に取り組む一方で、今後の損害賠償請求のため保険会社とのやり取りに不安を抱えてしまうもの。
しかし、弁護士が介入していれば、保険会社とのやり取りをすべて任せることができるため、治療に専念でき、精神的負担がかなり軽減されるメリットがあります。
また、最終的に受け取れる損害賠償金も、弁護士介入時のほうがまず間違いなく多く受け取れます。
当事務所は、交通事故問題に注力しているため、そうでない法律事務所に比べ、より適切なアドバイスをすることが可能です。
また、通院指導や、治療費打ち切り時の延長交渉など、より具体的な手続きについてもサポートできますので、まずはお気軽にご相談からご利用ください。