交通事故が理由で入院、または通院が必要になってしまった場合、かかった費用に加えて、入通院慰謝料として相手保険会社に請求することができます。

慰謝料というのは、精神的苦痛に対する損害賠償のことを指しますが、この苦痛を数値化するのは容易ではないため、ある基準に則って機械的に支払いがされることになっています

そういった意味では、入通院慰謝料の計算はそれほど難しいものではないのでご安心ください。

今回は、この入通院慰謝料の計算方法と自賠責基準、裁判所基準の違いについて詳しくみていきましょう。

自賠責保険の計算方法について

自賠責保険では、以下の式にのっとって入通院慰謝料が算出されることになっています。

4200円(1日あたり) × 通院期間!

ここでいう通院期間というのは、総治療日数(入院人数と通院期間の合計)と実通院日数(入院日数と実通院日数の合計を2倍にした値)のいずれか小さい数字を使います。

ただし、どれだけ入通院があっても、自賠責保険は120万円までを上限としているため注意です。

とはいえ、そもそも自賠責基準というのは、最低限度の補償のことです。

以下で触れる裁判基準を考慮すれば、適正と言える賠償金額まで上乗せすることが十分可能です。

保険会社側も、基本的には自賠責基準で支払いをしようなどとは考えてはいませんのでご安心ください。

裁判所基準の計算方法について

裁判所基準による入通院慰謝料は、以下の表が基準になっています。

この表の見方は簡単で、横が入院期間、縦が通院期間となっています。

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たとえば、1ヶ月の入院の後、2ヶ月の通院となれば、98万円が入通院慰謝料になります。

もう1つたとえるなら、入院期間が少し長く3ヶ月、その後も6ヵ月の通院を要したのであれば、211万円が入通院慰謝料となります。

しかし、実際にはこの表通りに保険会社から支払いがされることは稀です。

この基準はあくまでも裁判所基準であって、実際に裁判にまで発展した場合に認められる(ことが多い)金額となっています。

保険会社には自社基準がありますので、交渉によって最終的な支払い金額が決められることになります

とはいえ、保険会社基準は自賠責基準より金額は大きいものの、裁判所基準には届きません。

保険会社からの提案にどうしても納得できないのであれば、訴訟提起を視野に入れるしかありません。

その際は、入通院慰謝料だけでなく、他の支払いにも気を配りましょう。

入通院慰謝料も含めた合計金額で納得できているのであれば、あえて訴訟提起までは必要ないと、柔軟に考えていくのも早期解決のためには必要です。

自賠責基準と裁判所基準で比較する

では次に、自賠責基準と裁判所基準とをまったく同じ条件で比較してみましょう。

Aさんは、入院期間が2ヵ月、通院期間が4ヶ月でした。

総治療日数は70日でした。

この場合、自賠責基準で計算すると、4200円×70日=「29万4000円」になります。

一方で、裁判所基準で計算すると、「165万円」となり、その差は、「135万6000円」にもなります。

そして、保険会社各社が定めている基準は、具体的な金額は出せないものの、この中間くらいが多いといえます。

自賠責基準と裁判所基準とで、ここまで違いがあると知っている方と知らない方が保険会社と交渉するのでは、納得できる金額にも差が出るのも当然です。

自賠責基準よりもこれだけ多いのだと保険会社側に説得されると、「それならいいかな」と感じてしまう方が多くのも事実です。

こうした交渉の不利を無くすためにも、裁判所基準については一度確認しておくのが良いでしょう。

そして保険会社と交渉する際は、少しでも裁判所基準に近づけることを意識してみてください。

保険会社との交渉が難航したら当事務所に

自賠責基準、そして裁判所基準の入通院慰謝料の計算方法については、以上の通りです。

二つの基準に大きな違いがあることはわかったものの、その金額の計算方法自体については特に争いもなく、保険会社側と揉めることも少ないのが現状です。

しかし、保険会社との交渉が必要な項目は入通院慰謝料だけではありません。

他の項目の中には、なかなか納得できる話し合いができないという方も多いのではないでしょうか?そういった場合は、法律問題解決のプロである弁護士に交渉の窓口になってもらうのも良い方法の1つです。

当事務所でも、保険会社の交渉についてのご依頼を受けることがよくあります。

その際は、ご依頼者様がどのように考えているのかをしっかりと保険会社に伝え、その理想が現実になるよう示談交渉を進めてまいります

1円でも多く支払ってほしいとご希望される方に対しては、そのように進めていくのが当事務所のモットーです。

この程度の金額で諦めませんか?といったマイナスなご提案はしません。

もし、保険会社との交渉が難航して困っているという方がいらっしゃれば、まずはお電話にて、お気軽にご相談のご予約をとっていただければ幸いです。

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