後遺障害の逸失利益とは、簡単に言えば、「交通事故に遭わなければ、後遺障害を負うこともなかった。

この後遺障害がなければ、これだけの収入を得られたはず。

」というものです。

もう少し具体的に説明すると、営業のサラリーマンが後遺障害によって営業の仕事を続けることができなくなった場合、もし、そのまま仕事を続けていた場合と、後遺障害を負ったことで別の仕事に就かざるを得なくなった場合とで出来た収入の差、これを後遺障害の逸失利益と言います。

では、この差額分はどういった計算方法によって求められているのでしょうか?
今回は、後遺障害の逸失利益の計算方法について見ていきましょう。

後遺障害の逸失利益を求める計算方法

後遺障害の逸失利益を、一生懸命求めようと思っても簡単には求めることができません。

将来どれだけの収入を得るかは人それぞれですし、そもそも現実の数字だけで計算できるものではないのです。

様々な不確定な出来事の上で、私たちの人生というのは成り立っています。

そこで、逸失利益を求めるためには、客観的な指標として以下の計算式を用いることになっています。

「1年あたりの基礎収入×労働能力損失率×労働能力損失期間に対応するライプニッツ係数(ホフマン係数)」
それでは、1項目ずつどういったものか見ていきましょう。

1年あたりの基礎収入

1年あたりの基礎収入は、一般的にサラリーマンや公務員といった固定給与がある方の場合、それほど難しくなく算出することが可能です。

しかし、収入の変動が大きい個人事業主など、固定給がない方であったり、ほとんどが歩合給であったりする方の場合、基礎収入の算出が少し難しくなってきます。

その他にも、学生や専業主婦(主夫)など、収入がまったくなかった方に対しても逸失利益の請求は認められているのですが、実務では賃金センサスを用いて基礎収入を出すことが多いです。

賃金センサスとは、厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の結果をまとめたもので、地域や企業の規模などの他にも、性別や年齢、学歴などの労働者の属性別にみた賃金の実態が掲載されています。

基礎収入の算出が難しい場合に役立つ資料です。

労働能力損失率

労働能力損失率は、後遺障害によって失ってしまった労働能力のことです。

この数字は後遺障害等級に対応する、自賠責保険の基準表から算定されます。

具体的な損失率は以下の通りです。

後遺障害等級 労働能力損失率
第1級 100/100
第2級 100/100
第3級 100/100
第4級 92/100
第5級 79/100
第6級 67/100
第7級 56/100
第8級 45/100
第9級 35/100
第10級 27/100
第11級 20/100
第12級 14/100
第13級 9/100
第14級 5/100

        
             

ライプニッツ係数(ホフマン係数)

ライプニッツ係数(ホフマン係数)とは、中間利息控除のために用いられます。

中間利息控除というのは、簡単に言えば受け手側の期間による利益を控除し、不公平を無くすことです。

通常、逸失利益の支払いは原則的には一括払いで支払われるのですが、一括払いされることで受け手側はその一括払いされたお金を将来的に運用することで、より増額することも出来てしまいます。

わかりやすく言えば、1年間で毎月1万円ずつ支払われるところ、最初の月に12万円支払われれば、その間、この12万円の運用(銀行に預けていれば利息がつくなど)によって、1年後には12万円以上になっていることも考えられるのです。

このように、ライプニッツ係数(ホフマン係数)は、時間と関係する賠償金を、一時金に換算するために用いられる数字になります。

保険会社とは逸失利益で揉めることも…

後遺障害の逸失利益は、上記の計算式を用いることで保険会社が計算してくれますが、どうしても納得のいかない数字が出されてしまうこともあります。

特に、基礎収入の算出が容易ではない方にとっては、ベースとなる数字が異なってくるため、金額に大きな差異が生じてきます。

しかし、保険会社としても支払う金額を可能な限り抑えたいと考えていることから、増額については簡単に応じてくれません。

増額させるのであれば、保険会社の主張を覆せるだけの理由がなければならないのです。

場合によっては裁判も視野に入れざるを得ませんが、一般の方が保険会社相手に裁判をするというのも、交渉以上に難しい話になってきます。

そして多くの方が、保険会社に言われるがまま、適正な金額を手に出来ないまま示談をしてしまうのです。

後遺障害の逸失利益でお悩みの方へ

そこで、もし後遺障害の逸失利益でお悩みであれば、ぜひ当事務所にご相談ください。

当事務所であれば、逸失利益の基本的な計算はもちろん、保険会社が提示してくる自賠責基準ではなく、裁判所基準にて算出することも可能です

そして、保険会社との示談交渉がうまくいかなければ、最終的には裁判にて解決を図ることにしています。

弁護士の中には、争いを好まず、裁判を嫌う方もいますが、当事務所はそんなことはありません。

ご依頼者様の希望が実現するよう、示談交渉だけでなく、裁判手続きも全力でサポートさせていただきます。

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